![]() 皮膚創傷治癒のためのエリスロポエチンの局所適用および製剤
专利摘要:
本発明は、エリスロポエチン(EPO)の使用、さらに詳しくは外傷性皮膚の局所的治療のための活性化合物を安定化させる医薬品におけるEPOの使用、さらに詳しくは、機械的損傷または病気による損傷の場合あるいは火傷の場合における創傷治癒のための活性化合物を安定化させる医薬品におけるEPOの使用に関する。さらに詳しくは、本発明はまた、EPOを含み、EPOを安定化させ、創傷にそれをゆっくりと均一に放出する能力がある、多糖、好ましくはセルロース誘導体を基剤とする特異的粘性またはゲル状製剤に関する。 公开号:JP2011507920A 申请号:JP2010540059 申请日:2008-12-20 公开日:2011-03-10 发明作者:アウグスティヌス・バーダー 申请人:ヘレウス・クルツァ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツングHeraeus Kulzer Gesellschaft Mit Beschrankter Haftung; IPC主号:A61K38-22
专利说明:
[0001] 本発明は、エリスロポエチン(EPO)の使用、さらに詳しくは外傷性皮膚の局所的治療のための活性化合物を安定化させる医薬品におけるEPOの使用、さらに詳しくは、機械的損傷または病気による損傷の場合あるいは火傷の場合における創傷治癒のための活性化合物を安定化させる医薬品におけるEPOの使用に関する。さらに詳しくは、本発明は、上記のタイプの皮膚損傷の場合の創傷および隣接領域にいずれの場合にも引き起こされる、たとえば、血管前駆細胞ではない組織特異的前駆細胞などの特定の細胞型の分化および増殖の刺激、あるいは内皮細胞ではない成人組織特異的細胞の分化および増殖の刺激のための親水性ポリマーを基剤とする本発明の安定化形態におけるEPOの使用に関する。] [0002] さらに詳しくは、本発明はまた、EPOを含み、EPOを安定化させ、創傷にそれをゆっくりと均一に放出する能力がある、多糖、さらに詳しくはセルロース誘導体を基剤とする特異的粘性またはゲル状製剤に関する。] 背景技術 [0003] エリスロポエチン(EPO)は、骨髄中の前駆細胞からの赤血球の形成(赤血球形成)を制御する糖タンパク質ホルモンである。EPOは、すべての造血細胞において発現されるその受容体(EPO-R)に結合する。] [0004] 成人において、エリスロポエチンは、主に、腎臓において、より正確には尿細管周囲毛細血管の内皮細胞において形成される。相対的に少ない量が、肝臓細胞(幹細胞)においても合成される。] [0005] したがって、EPOの主な作用は、血液中の赤血球の数を増加させることにあり、その結果、酸素取り込みの増加がもたらされる。] [0006] 近年、様々な著者が、EPOが、非造血作用をも発揮し、したがって、EPO-Rが、特定の非造血細胞によっても発現されることを報告している。このように、神経細胞、脳の神経細胞および内皮細胞のEPOによる刺激が、報告されており、造血EPO受容体の直接発現とともに報告される場合もある。別の場合では、さらなる非造血性受容体の存在が、予言されるが、これはまだ証明されていない。] [0007] 特に、たとえば結合組織、筋肉組織、上皮組織および神経組織といったような内皮および組織細胞などの形成および再生の刺激などに関連して、非常に長い間知られていなかったエリスロポエチン(EPO)の非造血作用に対する重要性が増加している。] [0008] したがって、WO2004/001023には、特に、新血管形成および組織再生を刺激するため、ならびにたとえば、手術後または損傷後などの創傷治癒を改善するためのEPOおよびTPOの使用が記載されている。] [0009] WO2005/063965には、内皮細胞成長の刺激のみならず、実質性再生および壁構造の形成も促進される、外傷組織の標的化され構造的に制御された再生のためのEPOの使用が教示されており、よく調整された三次元成長が機能性組織、臓器またはそれらの一部の構築について起こることを意味する。] [0010] Haroonら(American J.Pathol.2003, 163, 993)には、フィブリンによって誘発される創傷治癒過程に関連してのEPOの新しい役割が議論されている。] [0011] 1つの総説、Brines and Cerami(Kidney International, 2006)には、組織の保護におけるEPOの役割が議論されている。] [0012] したがって、エリスロポエチンおよびEPO誘導体またはEPO模擬体もまた、皮膚への損傷の場合に罹患組織の新生および再生、開口皮膚および肉の創傷の場合あるいは火傷または湯焼によって引き起こされた皮膚炎の場合に粘膜の新生および再生を特異的に開始および制御するための全身的使用に非常に適していると思われ、最終的に治癒を促進および加速することができる。] [0013] WO2005/070450および当該発明者らによるさらなる論文には、創傷ケアの領域に対して90 IU/体重(=BW)kg以下の一週投与量による脈管および組織の再生におけるEPOの使用が記載されている。可能な局所適用が、ここにおいて理論的に言及されているが、それでもなお、全身適用が好ましいという記載は見られない。] [0014] したがって、準赤血球増加作用(sub-polydemic)投与量での全身適用の場合に、公知のEPO適用のために通常これまで用いられてきた150〜300 IU(国際単位)/体重kgの代わりに、90 IU/体重kg以下の一週投与量によるEPOを投与することが想定される。このように、目的は、骨髄における血液形成のより少ない刺激を達成することであるが、概略したように、より最近の教示によれば、血液領域における内皮前駆細胞の活性化を可能にすることである。血液および血管の最深部細胞層を形成する組織における内皮細胞前駆体細胞の活性化ならびに内皮細胞の発達は、血管新生における改善と結びつけられており、それによって組織再生もまた促進されることが仮定される。ところで、これは、火傷創傷の場合、臨床試験において確認されている。] [0015] 当該論文のいくつかが、組織の再生のためのEPOの局所適用に言及しているが、しかし、結果に基づいて、見出された非造血性EPO効果は、より最近の論文の意見において、血流とともに主に循環する対応する内皮、血管またはCD31ポジティブ前駆細胞の新たに発見された刺激に一次的に、そしてそれによって刺激される実質性の組織構造の成長に二次的にのみ起因しうるので、活性化合物の全身適用は、明らかに手前に置かれることになる。] [0016] しかし、組織保護または組織再生全身適用におけるEPOの使用は、造血効果に関連して潜在する副作用による重大なリスクを伴う。] [0017] EPOの局所適用において、これまでの意見の教示によれば、EPOによって全身的に起こる単なる細胞または前駆細胞の不適切な分配および到達可能性は、組織再生における不満足な効果あるいは全くない効果のみが、観察されるであろうということを意味する。] [0018] たとえば、火傷外傷または湯焼などの後の組織再生の場合、あるいは、虚血性創傷の場合、迅速な欠損閉鎖を達成する必要がある。これは、できるだけ迅速に皮膚の実質性成分の形成も刺激される場合にのみ起こりうる。次いで、もう1つの成分(実質)の形成を促進するための1つの成分(CD31)の時間的に推移した刺激は、WO2005/070450およびさらなる刊行物の著者の教示に対応する。] [0019] 血管網の形成は、間接的支援作用をもつことができるが、実質が失われており、特定の環境下で二次的に形成されうるのみのであり、したがって時間的遅延がともなうので、最後の結果をそのようなものとして表さない。] [0020] したがって、血管細胞の形成は、局在化された組織形成と同時に調整されなければならない。この場合、全身分配原理による標的内皮細胞前駆体への皮下または静脈内投与された投与量および準赤血球増加作用投与量は、副作用を制限するように付加的に投与されなければならないので、従来の教示によれば、ジレンマが起こる。この場合、したがって、EPOの投与は、皮膚の外傷領域に局所的に限定される局在化された薬物動態と困難さとを組み合わせることしができない。] [0021] 従来の教示によれば、したがって、概念上の刺激経路は、選択されなければならず、ここで、準赤血球増加作用投与量が投与されるか、または繰り返し注射されるか、または親物質の半減期における変化が必要である。] [0022] しかし、どの場合にも、EPOは、身体において全身的に分配された血流を介して必要な実際の部位に到達し、さらにもっと希釈されるであろう。] [0023] さらに、EPOの局所適用をより困難にする創傷の場合に処理過程が起こる:たとえば、損傷した皮膚または粘膜などの創傷治癒は通常、3つの相で進行する:炎症相、増殖相および修復/改造相。治療される新鮮創傷または皮膚損傷の場合、炎症過程は、最初の24時間以内に起こり、それは、特に、様々な炎症因子(たとえば、フィブロネクチンなど)およびたとえば、単球、食細胞、多形細胞およびマクロファージなどの様々なタイプの細胞の移入を含み、最終的に、フィブリンマトリックスおよび血管内皮細胞の形成をもたらす。この過程中に形成された創傷分泌液は、とりわけ、一連のタンパク質分解酵素ならびに創傷に入り、この点において作用する物質を含む細菌を含む。] [0024] 問題のタンパク質またはポリペプチドは、その化学的および生物学的性質により、適切な薬理学的効果を発生させることができる前に非常に活性の高いものもあるタンパク質分解酵素によって不活性化され、切断され、分解されるので、該酵素が、創傷に適用されて創傷治癒を促進するEPOなどのタンパク質またはペプチド含有医薬が、しばしば薬効が小さいかまたは薬効がないことになる理由である。この問題は、創傷の細菌感染または細胞残屑の侵入によってさらに悪化される。] [0025] 特にこの理由のために、医薬用タンパク質は、一般に、その半減期を有意に延長することができ、それらの薬効を発生させるべき身体の部位により迅速に輸送することができる全身適用で適用される。しかし、タンパク質含有活性化合物の投与量は、所望の治療効果を達成するために、この適用法において十分に高くなければならないが、不可避的に望ましくない副反応をもたらすことが多い。] [0026] 皮膚損傷の治療的処置の場合、医薬の治癒作用は、実際に局所的に必要であるにすぎないので、さらに、原則として活性化合物の全身適用は適切性が低い。このように、もしタンパク質含有活性化合物が皮膚損傷および開口肉部および皮膚創傷の治療に用いられるならば、一般的な問題がある。] [0027] しかしながら、激しい物理的外傷および炎症の場合、ならびに火傷および湯焼の場合に起こる可能性があるこのタイプの皮膚損傷の治療のための、局所形態における、たとえば、血漿中でさえも半減期がたった48時間しかないEPOなどのタンパク質またはポリペプチドの使用は、既知の困難性にもかかわらず非常に望ましい。] 発明が解決しようとする課題 [0028] したがって、目的は、最終的により速い欠損閉鎖をもたらすべきでありEPOの局所適用を初めて実用に適うようにし、全身投与を超える有意な利点を提供する、一方で述べたように創傷中の酵素的またはその他の過程によるEPOのタンパク質分解によって起こる作用の劇的な喪失なしで、しかし、他方で同様に上記に詳述したようにできる限り創傷および隣接領域および可能であればEPOの局所適用によって創傷の近くのより深い組織層において創傷治癒能力がある細胞または前駆細胞の刺激を促進する、局所適用形態における皮膚創傷治癒のためのEPOまたはその生物学的に等価な誘導体、フラグメント、模擬体などを提供することである。] [0029] 本発明のさらなる目的は、EPOの全身投与量、特に準赤血球増加作用投与量のリスクおよび制限を考慮しなくてもよく、また、局在化成人内皮細胞を排除することなく、また、実際の組織関連細胞において特異的に作用することができる投与の形態を創造することである。] 課題を解決するための手段 [0030] (発明の概要) 驚いたことに、局所適用において、好ましくは、活性化合物を安定化させ、それを均一に放出する適当な製剤において、皮膚への損傷または病気により誘発された皮膚への損傷の場合、EPOが有効であることが今や見出されており(ここで、EPOの有効性は、特に組織学的研究によってこれまでに明らかにされたように、血中を循環し、創傷へ輸送される(これは標的効果には十分ではない)内皮細胞および他の前駆細胞の既知の予言された活性化に起因するものではないか、または事実上起因するものではなく、それどころか、局所的に、すなわち、創傷および隣接領域または創傷の延長された隣接部において刺激された、細胞のEPO誘発性刺激に明らかに基づいている)、驚いたことに、機能的に創傷治癒に寄与する皮膚組織における細胞は、優勢的に、実質性細胞、すなわち、血管細胞またはその前駆細胞ではなく、また優勢的に、創傷組織に局在する内皮細胞またはその前駆細胞ではない細胞である。] [0031] 一般に、特に、内皮細胞表面マーカーCD31をもたないか発現しない、あるいはわずかにもつか発現する、創傷領域における細胞は、局所適用されるEPOによって刺激されて、直接的および局所的に分化および成長することが見出されている。] [0032] CD31は、通常、内皮細胞または血管細胞、血小板、マクロファージ、顆粒球,T細胞、NK細胞、白血球および線維芽細胞に見出される。CD31発現細胞は、血管新生因子とみなされている。組織において、血管は、川のように組織を貫流するが、組織自体には全く存在しない構造である。これらの血管細胞およびその前駆細胞は、これらが正確に分化し、他のタイプの細胞から区別されることを可能にするCD31などの表面マーカーをもつ。皮膚の実質成分は、ケラチノサイト、毛根細胞および結合組織細胞といったような真皮細胞などのCD31陰性細胞型である。したがって、CD31陰性細胞、特にケラチノサイト、毛根細胞および結合組織細胞またはCD31をわずかに発現するだけの細胞は、局所適用されたEPOによって直接および局所的に刺激されるのが好ましい。このさらなる作用効果は、新規であり、既知の造血EPO効果とも、近年発見され、全身的に実証された(前記参照)、非造血メカニズムとも異なる。] [0033] この文脈では、特に、皮下または静脈内投与の場合、エリスロポエチンおよびその誘導体ならびに類縁体の全身適用は、特にこの全身性の概念が血管細胞とは完全に無関係である組織特異的幹細胞の重要性を無視するので、皮膚への損傷の部位において不適切な効果または過剰に短い効果を招くだけであることが強調されるべきである。] [0034] 本発明によれば、このように、皮膚付属器における局在前駆細胞および皮膚の幹細胞腺窩を、初めて、EPOの局所適用によって直接刺激することができる。皮膚の創傷領域におけるCD90陽性細胞およびネスチン陽性細胞は、該実質的CD31陰性細胞のEPO誘発性刺激を介しても刺激されることがさらに見出されている。ネスチンは、神経細胞のマーカーであるが、CD90は、幹細胞および神経前駆細胞のマーカータンパク質である。創傷領域におけるCD73陽性細胞はまた、EPOによって直接共刺激される。したがって、局所適用されたEPOは、成長するための皮膚創傷治癒にとって必須である、創傷および隣接領域におけるすべての重要な細胞を事実上刺激する能力がある。] [0035] 本発明によれば、先行技術の準赤血球増加作用投与量の要件の詳記および制限事項とは全く無関係に、ポリマー、特に親水性ポリマーを基剤とする皮膚における創傷治癒に特異的である必須細胞および前駆細胞の直接刺激は、好ましくは適当な製剤中の、局所適用されたEPO、同じ作用または類似の作用を有するその誘導体および類縁体の使用において行われる。これは、従来の全身適用形態の場合に不可避的に起こる、有機体全体にわたる内皮細胞前駆体における作用に無関係に起こる。このタイプの全身作用は、起こる造血効果(赤血球細胞の数の増加、骨髄における赤血球形成の増加、血栓のリスクの増加など)により、一般に望ましくない。] [0036] 本発明にしたがって局所および局部適用されたEPOはさらに、血管細胞または血流中を全身的に循環している内皮前駆細胞の刺激を引きおこさないか、または刺激を実質的に引き起こさない。創傷に近い細胞の直接刺激は、局所的皮膚および創傷環境が、一方では、たとえば、プロテアーゼなどによる全身的吸収を制限するという利点を有し、全身循環領域へ侵入する前のEPOの分解を減少させ、それでもなお、局所的な活性化合物の高濃度を促進する。従来の全身適用形態の場合にEPO 250 IU/BW以上という濃度を意味するEPOの量が、起こることが言及された対応する望ましくないEPO効果なしで、容易に投与されうる。このことは、組織再生の領域のための治療濃度域を著しく広げる。さらに、共刺激効果は、EPOの局所適用により、高濃度で局所的にのみ存在する外傷サイトカインによって開始されうる。] [0037] 本発明は、以下に関するものである: いずれの場合にも外傷を受けた皮膚の創傷および隣接領域おける特定の位置において蓄積した、血管前駆細胞ではない組織特異的前駆細胞の標的化刺激および内皮細胞ではない成人組織特異的細胞の標的化刺激による、外傷を受けた皮膚の欠損閉鎖のため、および/または再上皮形成のために局所的および局部的に適用される医薬の製造のための、好ましくは活性化合物を安定化させ、それを均一に放出し、好ましくは少なくとも部分的に親水性特性を有するポリマーを基剤とする医薬製剤の形態での、エリスロポエチンまたは同じ生物学的作用を有するその誘導体もしくは類縁体(EPO)の1つの使用; 局所および局部適用されたEPOが、血管細胞または血流中を全身的に循環している内皮前駆細胞刺激を引きおこさないか、または刺激を実質的に引き起こさない、対応する使用; 局所適用されたEPOによって刺激された該細胞が、CD31抗原を発現するか、または極少量しか発現しない対応する使用; 他の点では同一の条件下で、安定化されていない形態のEPOによるものと比べて、20〜70%、好ましくは20〜50%、さらに好ましくは30〜40%、より迅速に、皮膚の再上皮形成が起こる、対応する使用; 他の点では同一の条件下で、EPOなしの対応する医薬製剤によるものと比べて20〜50%、好ましくは30〜40%、より迅速に、皮膚の再上皮形成が起こる、対応する使用; 局所および局部適用されたEPOが、ケラチノサイトおよび/または毛根細胞および/または結合組織細胞の分化および成長を刺激する、対応する使用; 局所および局部適用されたEPOが、創傷および隣接領域において、CD90陽性細胞および/またはネスチン陽性細胞の分化および成長をさらに刺激する、対応する使用; 局所および局部適用されたEPOが、神経細胞および/または神経前駆細胞の分化および成長を刺激する、対応する使用; 創傷の局部近傍におけるより深い組織層における対応する前駆細胞が、局所および局部適用されたEPOによって刺激される、対応する使用;。] [0038] EPOの全身投与における主な問題の1つは、一方では、全身的副作用を考慮し、他方では、高濃度の活性化合物を創立することの必要性を考慮しながら、局所領域において十分に高い組織保護活性を達成することである。] [0039] したがって、本発明の目的はまた、特に有効な様式で局所適用しうる、EPOおよびその類縁体を用いる適用方法および担体物質を創立することであった。] [0040] 驚いたことに、活性化合物が、それを安定化させる医薬調製品または製剤において局所適用に提供される場合、局所適用されたEPOならびに同じ生物学的作用を有するその誘導体および類縁体の記載された作用効果が、特に顕著であることが見出されており、ここで、製剤または調製品は、活性化合物が創傷にできるだけ均一に、そしてゆっくりと放出(遅延放出)されうるというさらなる特性を有すべきである。] [0041] 驚いたことに、製剤の担体物質基剤として、セルロース誘導体、カルボマー、脂肪アルコールまたはマクロゴール(ポリエチレングリコール)あるいはその混合物などのゲル形成性かつ親水性で、相対的に高粘度のポリマー、好ましくはゲル形成性多糖、特に、セルロースエーテルおよびセルロースエステルから選ばれるものが、軟膏、クリーム剤またはゲル剤などの局所適用される対応するEPO含有調製品中のEPOおよびその誘導体において安定化された作用を発揮することが見出されている。ここで、活性化合物は、該化合物を保護し、さらに、そこから化合物が均一にゆっくりと創傷に放出され、タンパク質分解酵素による重大な分解を引き起こすことなくその作用を直接かつ迅速に起こすことができる、粘性、膨潤性、ポリマー化またはゲル状マトリックス、好ましくは多糖マトリックス中に均一に分配される。] [0042] 興味深いことに、20,000 mPa s以上、好ましくは30,000 mPa s以上、さらに詳しくは20,000〜100,000 mPa s、好ましくは40,000〜60,000 mPa sの相対的に高粘度を有するEPO含有ゲル剤は、20,000 mPa s以下、さらに詳しくは10,000 mPa s以下の粘度を有する低粘度ゲル剤と比べてより有利な結果を示す。このような粘度の値は、ゲル形成性ポリマー、好ましくは多糖ゲル形成性物質が、2〜4重量%、好ましくは2〜3重量%の比率であるが、低すぎない比率を有するゲルにおいて達成することができる。] [0043] ゲル形成性物質として、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびカルボキシエチルセルロースから選ばれる少なくとも1つの膨潤性多糖を含むゲル製剤は、特に有利であることがわかっている。カルボキシメチルセルロースおよび/またはヒドロキシエチルセルロースを含むか、またはからなる製剤が好ましい。] [0044] セルロースまたはアルギン酸塩などの多糖を基剤とするゲル状組成物以外に、たとえば、ゲル剤、ペースト剤、軟膏などの多くの市販製剤で用いられるような全体的親水性作用および必須の粘度特性を有する他の膨潤性ポリマーもまた、原則的に適している。] [0045] 活性化合物を含むカルボキシメチル/エチルセルロース、ゲル状またはペクチンなどの多糖を含む親水コロイド粒子を内蔵する、たとえば、ポリアクリレートまたはポリウレタンなどをベースとする、疎水性かつポリマー性で、一般に高粘度のマトリックスを用いることも可能である。] [0046] 本発明の有利なゲル製剤においてEPOは30日以上の長期にわたって安定である(図1)が、同程度の濃度の水性EPO溶液(0.9% NaCl溶液)中のEPO含量は、20日後にすでに80%まで低下した。] 図1 [0047] 対照的に、本発明のEPO含有製剤で治療された創傷は、EPOを含まない本発明製剤と比べて、約10〜50%、好ましくは20〜40%、より迅速に治癒する。したがって、たとえば、92〜99%の創傷治癒は、EPO含有製剤によって、4〜8日後の再上皮形成によって達成されうるが、EPOを含まない本発明製剤による創傷治癒は、他は同一の条件下で、最大で85〜87%までしか達成されない。] [0048] したがって、本発明は、以下に関するものである: エリスロポエチンまたは同じ生物学的作用を有するその誘導体もしくは類縁体(EPO)の1つを含み、親水性環境にEPOを均一に放出する能力がある、少なくとも20,000 mPa x sの粘度を有する、少なくとも1つのゲル形成性かつ親水性ポリマーを基剤とする粘性製剤; 少なくとも30,000 mPa x s、好ましくは40,000〜60,000 mPa x sの粘度を有する、対応する粘性製剤; 好ましくは、親水性ポリマーとして、セルロース誘導体、特にヒドロキシアルキルセルロースおよび/またはカルボキシアルキルセルロースから選ばれる多糖、およびポリアクリレートまたはポリウレタンを基剤とする疎水性ポリマーマトリックスを含む、対応する粘性製剤; エリスロポエチンまたは同じ生物学的作用を有するその誘導体もしくは類縁体(EPO)の1つを含む、ヒドロキシアルキルセルロースおよび/またはカルボキシアルキルセルロースから選ばれる少なくとも1つの膨潤性多糖を基剤とするゲル状製剤または粘性製剤; 凍結乾燥、溶解または懸濁形態のEPOを膨潤前多糖と混合することによって得られる、対応する製剤; 完全膨潤多糖が、5000〜100,000 mPa x s、特に20,000〜50,000 mPa x sの粘度を有する、対応する製剤; 多糖が、0.4〜4重量%、特に2〜3重量%の濃度で用いられる、対応する製剤; 多糖が、セルロースエーテルおよび/またはセルロースエステルであり、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースから選ばれる1つ以上の多糖である、対応する製剤; ゲル形成剤として、重合可能なヒドロキシエチルセルロースおよび/またはカルボキシメチルセルロースを含む、好ましい製剤; 100〜500 IU/ゲル製剤g、特に150〜300 IU/ゲル製剤g、好ましくは150 IU/ゲル製剤gの濃度でEPOを含む、対応する製剤; 0.5 g〜5 gのゲル製剤/創傷領域cm2、好ましくは1 g〜3 gのゲル製剤/創傷領域cm2、特に1.0 gのゲル製剤/創傷領域cm2を含む、対応する製剤; 使用するゲルの量に応じて、創傷領域約100 cm2に対して約50〜2200 IU/体重kg(BW、標準的な重さ70 kg)、または創傷領域約200 cm2に対して約100〜4500 IU/BWおよび創傷領域約300 cm2に対して約150〜6000 IU/BWの全身投与に対応する量のEPOを有する、対応する製剤; 創傷サイズまたは創傷領域(1 cm2〜300 cm2)に応じて、約50〜約450,000 IU、平均約500〜300,000 IU、好ましくは1500〜60,000 IU、特に3000〜10,000 IUの量のEPOを含む、対応する製剤; さらに、好ましくは、抗菌、抗ウイルス、抗真菌または抗炎症作用を有するか、プロテイナーゼインヒビターとして作用するか、または創傷治癒に必要な他の化合物である、少なくとも1つのさらなる活性化合物を含む、対応する製剤; 少なくとも1つの合成コポリマーを含む、対応する製剤; 1つ以上の佐剤を含む、対応する製剤; 活性化合物の放出を調節し、特に、外傷性皮膚の創傷領域へEPOを均一に放出する固体担体マトリックス中または上に導入された、対応する製剤; 固体担体マトリックスが、プラスター、ホイル、フィルム、包帯、ガーゼ、特に製剤事態を安定化させ、保護する能力がある三次元構造化されたプラスターである、対応する製剤; 第1のユニットが少なくとも1つの膨潤性ポリマーを含み、第2のユニットが凍結乾燥EPOまたは対応するその誘導体を含む、少なくとも2つの別個のパックユニットを含む部品からなる医薬キット。] [0049] 本発明製剤は、ヒトおよび動物において、損傷した皮膚および様々な原因の皮膚疾患の局所および局部治療に用いることができる。本発明製剤は、特に、歯科医学および/または一般内科または獣医学における創傷治癒の改善に用いることもできる。本発明製剤はまた、術後または外傷後の創傷感染および火傷の局所および局部治療、術後敗血症、炎症性および/または感染性潰瘍、慢性虚血性創傷、急性および慢性皮膚感染または皮膚病、にきび、酒さ、乾癬、あるいは粘膜潰瘍、または特に顎もしくは歯の領域の粘膜骨創傷などの粘膜損傷に用いることができる。] [0050] したがって、本発明は、皮膚の再上皮形成による、局所および局部治療ならびに創傷治癒用、特に皮膚の火傷、粘膜および骨創傷および歯領域の創傷の治療および治癒用の医薬の製造のための、前記および後記に特定した製剤の使用に関する。] [0051] (発明の詳細) たとえば、火傷外傷、湯焼または疾患誘発性創傷後などの皮膚再生の場合に、特に前記および後記に詳述するゲル状製剤、特にセルロースを基剤とするヒドロゲル剤の形態でのEPOの局所適用によって、迅速な欠損閉鎖が達成されうることが見出されている。さらに、創傷領域の再上皮形成は、EPOの局所投与によって、極めて促進される。このことは、上皮の層厚がより大きいことから明らかである(図4)。このことは、皮膚の実質性成分の形成も可能な限り迅速に刺激される場合にのみ起こりうる。] 図4 [0052] さらに、血管網の形成もまた、EPOの局所適用によって開始されることが観察されているが、EPOによって引き起こされる創傷治癒は、最初に、血管形成細胞の刺激によって引き起こされる、すなわち、EPOは単に血管形成を引き起こすにすぎず、実質性組織の形成は、内皮細胞およびその前駆細胞のEPO刺激の結果として、間接的にそしてせいぜい時間遅延様式で開始するという既知の教示とは対照的に、このことは、実質成分の局所形成をともなう。] [0053] しかしながら、本発明の結果は、血管細胞の形成が、局在化された組織形成と少なくとも同時に調整されることを明確に示している。] [0054] 本発明によれば、EPOの局所適用により、ネスチン陽性である組織特異的前駆細胞が、新しい表皮の境界領域において増加しているのが見出されるようになるということがさらに観察されうる。したがって、この領域において神経幹細胞が刺激されるが、このことは、創傷治癒中の皮膚の改善された感受性を説明するものである。] [0055] 本発明製剤にとって、市販されているが、組換えエリスロポエチンの使用が好ましい。しかし、本発明にしたがって、天然のEPOと比べて、血液中または血清中の活性化合物の半減期を延長するために開発されたEPO誘導体を用いることもできる。本発明ゲル状製剤は、標準のEPOに対するそれら自身の特異的保護作用を発達させるので絶対に必要というわけではないが、このタイプのEPO誘導体を局所適用に用いることもできる。これらとして、たとえば、ペグ化EPO、修飾グリコシル化パターンを有するEPO(たとえば、Aranesp(登録商標))、シリル化EPO、または他のポリペプチドまたは免疫グロブリンのフラグメント(たとえば、抗体のFc部分に)に融合したEPO(たとえば、WO02/49673またはWO01/02017から公知)などが挙げられる。さらに、生物学的に活性な合成EPOペプチド模擬体(たとえば、WO96/40749、WO96/40772、WO01/38342、WO01/091780、WO2004/101611、WO2004/100997、WO2004/101600、WO2004/101606およびWO2006/050959から公知)もまた用いることができる。これらの模擬体は通常、著しく短いアミノ酸鎖を有し、したがって、一般に、より速く分解されるので、本発明製剤による必須の適切な安定化を経験する。] [0056] EPOの既知の全身使用の場合、150〜300 IU/体重kg(BW)の活性化合物が、一般に、一投与当たり適用される。著しく高い投与量では、望ましくない副作用が優勢になる。成人(70 kg)の場合、これは、10,500〜31,500 IUのEPO/投与に対応する。これは、同様に、約80〜250 μgのEPO/投与(13,000 IU〜100 μgのEPO)に対応する。] [0057] 皮膚への損傷に対する本発明の局所使用の場合、重大な副作用を起こすことなく、本発明製剤またはゲル剤を用いて、投与当たり著しく多量のEPOを用いることができる。したがって、対応するサイズの創傷(たとえば、300 cm2)にとって、全身投与の場合、約6500 IU/体重kg(BW)に対応するEPOの量を用いることができる。全身適用されるEPOのこのような量は、許容されうるものではなかった。EPOの必須の総量は、創傷サイズおよび創傷領域に対するゲルの量およびゲル1g当たりのEPO含量に応じて著しく変化する。] [0058] 一般に、投与量は、本発明によれば、(様々なサイズの)創傷の1回処置に必要なEPOの量とされうる。創傷は、その領域だけではなく、必要に応じて、その深さによっても定義されるので、必要な活性化合物の投与量は、大きく変化しうる。創傷が本発明製剤で満たされるのが好ましい。] [0059] 成人体重を70 kgとみなす場合、たとえば、以下の値が、創傷治癒のために適切である。 50〜500 IU/BWは、3500〜35,000 IUのEPO/投与量または創傷および創傷サイズ; 50〜150 IU/BWは、3500〜10,500 IUのEPO/投与量または創傷および創傷サイズ; 100〜500 IU/BWは、7500〜35,000 IUのEPO/投与量または創傷および創傷サイズ; 150〜300 IU/BWは、10,500〜21,000 IUのEPO/投与量または創傷および創傷サイズ。 これらの値に対応する創傷サイズおよびゲル濃度を第1表に示す。] [0060] 創傷領域が約5〜20 cm2である小さい創傷には、低いEPO単位を用いるのが好ましいが、領域が約100 cm2またはそれ以上である大きい創傷には、高い値を用いる。領域がたとえば10 cm2である創傷の場合、約500〜15,000 IUの量のEPOを本発明にしたがって用いる。領域がたとえば100 cm2である創傷の場合、約5000〜150,000 IUのEPOが必要である。このことは、平均約50〜1500 IUのEPO/創傷領域cm2、好ましくは75〜450 IUのEPO/cm2が、本発明にしたがって、再上皮形成および創傷の欠損閉鎖のために創傷に適用されるべきであることを意味する。適用される量は、もちろん、特定の条件下では、これらの値より著しく高いか、または低くてもよい。] [0061] 上述の値は、100〜500 IU/ゲル製剤g、特に100〜300 IU/ゲル製剤g、好ましくは150〜200 IU/ゲル製剤gのEPO含量に基づいている。詳しくは、製剤基剤のg当たり、以下の範囲のEPO量を本発明にしたがって用いる。 100 IU/ゲルg〜300 IU/ゲルg、100 IU/ゲルg〜150 IU/ゲルg、 100 IU/ゲルg〜200 IU/ゲルg、100 IU/ゲルg〜250 IU/ゲルg、 150 IU/ゲルg〜200 IU/ゲルg、150 IU/ゲルg〜250 IU/ゲルg、 150 IU/ゲルg〜300 IU/ゲルg、200 IU/ゲルg〜250 IU/ゲルg、 250 IU/ゲルg〜300 IU/ゲルg。] [0062] 一般に、本発明にしたがって、損傷に応じて、成人創傷の平方センチメートル(cm2)当たり、約0.5〜約5 g、好ましくは1〜3 g、特に1 gのゲルを用いる。しかしながら、その量は、これらの濃度より高いか、または低くてもよい。特に、以下のゲル濃度範囲を用いる:0.5 gのゲル/cm2〜2.0 gのゲル/cm2、0.5 gのゲル/cm2〜1.0 gのゲル/cm2、1.0 gのゲル/cm2〜2.0 gのゲル/cm2。] [0063] したがって、本発明製剤は、創傷サイズおよびEPOの量/製剤基剤グラムに対応する、たとえば投与当たりおおよそ以下の量のEPO(IU)または第1表に示す量のEPOを含む。 2000 IU、3000 IU、4000 IU、5000 IU、6000 IU、7000 IU、8000 IU、9000 IU、10,000 IU、12,000 IU、15,000 IU、20,000 IU、25,000 IU、30,000 IU、35,000 IU、40,000 IU、45,000 IU、55,000 IU、60,000 IU、70,000 IU、80,000 IU、90,000 IU、100,000 IU、120,000 IU、135,000 IU、150,000 IUおよび180,000 IU。] [0064] 第1表: 0.5 gのゲル/創傷領域cm2 1 gのゲル/創傷領域cm2 2 gのゲル/創傷領域cm2 3 gのゲル/cm2 of wound area] [0065] 本発明によれば、新規な製剤は、少なくとも1つのゲル形成性、粘性、親水性ポリマー、好ましくはセルロース誘導体、好ましくは多糖、またはアルギン酸塩もしくはその誘導体、キチンもしくはその誘導体あるいはその塩、またはデンプンを含む。ゲル形成性多糖の由来は、ここでは重要ではなく、すなわち、これらのゲル形成性多糖は、植物または動物由来あるいは合成されたものでありうる。植物または動物由来であり、化学合成によってさらに修飾された多糖を使用することも可能である。] [0066] 本発明のゲル剤または製剤にはセルロース誘導体を用いるのが好ましい。本発明に関連するセルロース誘導体のグループには、特にセルロースエーテルおよびセルロースエステルならびにその塩が包含される。本明細書で用いるセルロースエーテルは、特に、たとえば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシブチルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロースであるが、さらに詳しくは、ヒドロキシメチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロースである。本明細書で用いるセルロースエステルは、特にカルボキシアルキルセルロース、さらに詳しくは、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシプロピルセルロースまたはカルボキシブチルセルロースであるが、カルボキシメチルセルロースまたはカルボキシエチルセルロースが好ましく、カルボキシメチルセルロースが最も好ましい。] [0067] さらなる態様によれば、本発明製剤は、少なくとも2つの異なる上述したゲル形成性多糖、特に上述のセルロース誘導体を含んでもよい。セルロースエーテルのクラスからの少なくとも1つの化合物およびセルロースエステルのクラスからの少なくとも1つの化合物を用いるのが、特に有利であることが分かっている。ゲル形成性多糖として、ヒドロキシアルキルセルロースおよびカルボキシアルキルセルロース、特にヒドロキシエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースを含む製剤/ヒドロゲルが特に好ましい。] [0068] さらに、本発明のゲル剤は、ゲル形成性多糖として、特に、少なくとも1つの水溶性セルロース誘導体を含んでもよい。これらは、それらがゲル内に膨潤性粒子を形成せず、非常に均質なヒドロゲルもたらすという事実によって区別される。さらに、水溶性多糖含有ゲル剤は、創傷への適用において特に良好な展延性を示し、さらに、特に滑らかな表面を形成し、特にうまく形にすることができる。架橋していない水溶性セルロース誘導体が特に適している。] [0069] 本発明製剤は、構造形成剤または粘性調節化合物をさらに含んでもよい。ポリアクリル酸およびその塩、特に架橋ポリアクリル酸が、この目的に特に適している。適当なこのタイプのアクリレートの例は、(ポリ)メタクリレート、(ポリ)メチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、(ポリ)エトキシエチルメタクリレートである。これらのポリアクリル酸誘導体は、水中でそれらの重量が著しい比率をとることができるという利点をさらに有する。したがって、これらのアクリル酸誘導体と少なくとも1つのゲル形成性多糖の組み合わせは、水分取り込みと水分放出能力をコントロールすることができるゲルの特定の製剤を可能にする。製剤におけるセルロース誘導体とアクリル酸誘導体との比率は、20:1〜1:1でありうるが、10:1〜2:1が好ましい。] [0070] さらに、本発明製剤は、たとえば、カルボキシアルキルセルロースなどの、活性化合物を含む該多糖が埋め込まれる、たとえば、ポリウレタンまたはポリアクリレートなどを含む、全体として親水性作用を有し、疎水性担体または支持マトリックスを有する粘性ポリマーを基剤とすることができる。このタイプのヒドロゲルは、創傷の湿分を保ち、自己分解性創面切除にとっての最適環境を作り出し、二次的包帯に創傷分泌物を沈積させるので、創傷治癒に特に適している。その一例が、バリヘシブ(登録商標)ヒドロゲルである。] [0071] 一般に、上述したように、多糖の親水コロイド粒子が埋め込まれる他の疎水性ポリマー骨格または支持構造もまた可能である。] [0072] 前記および後記のとおり、粘度の維持によるEPOの均一なゆっくりとした放出が確保される限り、原則として、ポリマー、特に多糖に基づいて構成されたポリマーに基づいており、創傷治癒特に適していることが分かっていて、市販されているすべてのゲル剤および軟膏基剤が、本発明製剤に適している。] [0073] 本発明製剤は、さらに、電解質を含んでもよい。本発明に関連する適当な電解質は、特に水に溶解する際に、イオンに解離する能力があり、一価、二価および三価イオンからできている化合物である。これらの電解質は、たとえば、無機または有機塩などの形態をとることができ、製剤中に存在しても良いイオン特性を有するいずれかのポリマーとは相違する。この関連において特に適しているものは、アルカリおよびアルカリ土類金属の塩化物、ヨウ化物、硫酸塩、硫酸水素化物、炭酸塩、炭酸水素化物、リン酸塩、リン酸二水素塩またはリン酸水素塩であるが、特に、塩化ナトリウム、塩化カリウムおよび塩化カルシウムが適している。これらの電解質混合物は、創傷が放出する創傷血清中の電解質混合物を特によくシミュレートする。これらの電解質を含有する本発明製剤は、特定の程度まで創傷治癒を促進する球体をもつ創傷を提供する。] [0074] 本発明のさらに別の態様において、本発明製剤は、さらにポリオールを含む。このポリオールは、湿分供与者として非常に適しており、したがって、創傷の周囲の皮膚のためのケア成分を務める。特にこの目的に適しているのは、たとえば、グリセリン(グリセロール)、グリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン-プロピレングリコールまたはその混合物から選ばれるポリオールである。特に、本発明ヒドロゲルに用いるポリオールは、ゲル剤全体に対して0.5%〜10%(w/w)の量のグリセリンまたはポリエチレングリコールおよびその混合物でありうる。] [0075] 本発明の製剤またはゲル剤、特にヒドロゲル剤は、最適な様式でEPOを保護するのに適した粘度を有さなければならないが、同時に、活性化合物が、先に代謝されることなく、十分な量で十分に迅速に創傷に放出されうることを確保しなければならない。] [0076] 驚いたことに、少なくとも1.5%、好ましくは2〜4%、非常に好ましくは2.5〜3.5%、特に3%または約3%という、概してゲル剤中の膨潤性ポリマー、好ましくはセルロース誘導体の重量比率で達成される、相対的に高い粘度を有する製剤によってのみ、最適な様式で確保されることが見出されている。このような粘度を有するゲル剤は、ゲル形成剤含量1〜2%を有するゲル剤と同様に通常加工することができないので、一般に、医療目的にはめったに用いられない。前述したように、たとえば、アクリレートの使用は、ゲルの加工可能性を改善する。] [0077] したがって、たとえば、カルボキシアルキルセルロースといったようなセルロースエーテルおよび/またはセルロースエステルなどの親水性ポリマーを基剤とする本発明の製剤またはゲル剤は、5000〜100,000 mPa s、好ましくは20,000 mPa s以上、特に20,000〜70,000 mPa s、そして非常に特には40,000〜60,000 mPa sの動粘度を有する(BohlinモデルCSR〜10レオメーターで測定、4°/0.40 mm円錐スピンドル、振動測定、T=22-25℃)。このタイプのヒドロゲルは、創傷面および創傷内に十分に、そして均一に分配することができ、創傷滲出液の取り込みにおいてさえも良好な密着性を有し、治療される創傷から流れ出ない。] [0078] 本発明の好ましいEPO含有製剤またはゲル剤は、以下の組成を有することが提供される:少なくとも70重量%の水および1.5〜6.0重量%のゲル形成性多糖、好ましくは少なくとも1つのセルロース誘導体、特にカルボキシメチルセルロースおよび/またはヒドロキシエチルセルロース、そして任意に0.1〜10重量%のアクリル酸誘導体および/または1〜20%のポリオール、好ましくは1〜5重量%のグリセロールおよび/または0.1〜5重量%の電解質。] [0079] 本発明製剤は、適当な保存剤などのそれ自体ゲル製剤用として知られている佐剤を任意に含んでもよい。] [0080] また本発明の製剤またはゲル剤は、それ自体創傷治癒に必要である他の活性化合物を含んでもよい。これは、たとえば、細菌、ウイルスまたは真菌感染が起こっているか、またはそのような感染に対する予防を意図する場合に特に適切である。この目的に適した対応する抗生物質、抗真菌薬または消炎薬は、従来技術に記載されている。特に、局所的に使用しうる活性化合物が、適している。局所的に使用しうる抗生物質の例は、テトラサイクリンまたはペニシリンあるいはエリスロマイシン、バシトラシン、チロトリシン、コリスチンおよびポリミキシンBまたはネオマイシン、カナマイシンおよびパロマイシンなどのアミノグリコシド、またはムピロシンである。] [0081] 特定の態様においては、創傷分泌液中で大量に生じるプロテイナーゼを阻害することを意図する、少なくとも1つのプロテイナーゼインヒビターを本発明製剤に加える。本発明によれば、特に適したプロテイナーゼインヒビターは、創傷で起こる炎症性サイトカイン分泌を阻害する能力がある、アプロチニンである。驚いたことに、アプロチニンの存在下での局所投与においてEPOが創傷治癒に特に有効であることが見出されている。] [0082] さらに、本発明のゲル剤または製剤はまた、ポビドンヨードなどの消毒薬を含んでもよい。] [0083] 本発明のEPO含有製剤それ自体以外に、本発明はまた、医療担体材料および記載したタイプの製剤またはゲル剤を含む創傷包帯に関する。たとえば、本明細書で用いる該担体材料は、天然または合成繊維材料から作成された不織布または編み物または織物を含むが、たとえば、スプレー式プラスターの形態などのフィルム被覆材も含む。本明細書における医療担体材料は、片面または両面をゲルまたはヒドロゲルで被覆または含浸される。] [0084] 非常に特に適した創傷包帯は、特に最適化された様式で活性化合物EPOを含み、それを創傷に放出する特別のプラスターの形態で提供されうる。] [0085] このタイプのプラスターは、EP 08 011 985.2に詳しく記載されており、活性化合物を含む担体マトリックス材料を含む。ここで、担体マトリックスは、以下の構造を有する: (i)薬剤の容器としての機能を果たす1つ以上の空洞の形態における領域または構造;および(ii)創傷分泌液の取り込みおよび排出および/またはさらなる活性化合物の局所導入および/または皮膚治癒を促進する細胞の局所導入のために働く、伝送路様構造としての機能を果たす1つ以上の空洞の形態における領域または構造;ここで、(a)(i)の少なくとも1つの領域は、(ii)の少なくとも1つの領域に隣接し;(b)領域(i)および(ii)は、創傷から離れた側で塞がれ;(c)領域(i)および(ii)は、活性化合物、創傷分泌液、さらなる活性化合物/細胞に対して開口しているか、または少なくとも透過性であり;(d)空洞の形態における領域(i)および(ii)は、プラスター表面の平面に配置され;および(e)領域(ii)における空洞は、プラスターにおける減圧の生成により、空洞に蓄積している創傷分泌液の排出を可能にするか、および/または任意にさらなる活性化合物の適用を可能にする、注射器または吸引/供給装置のための少なくとも1つの開口部または接続部を有する。] [0086] 対応するEPO含有プラスターはさらに、創傷分泌液を生成する皮膚または創傷を染み出させる場合、(f)領域(ii)における空洞がさらに、空洞に蓄積している創傷分泌液が排出されるのを可能にする排出手段を有するという方法で設計されてもよい。この場合、領域(ii)における空洞は、もう1つに接続される伝送路であってもよい。領域(i)における空洞は、槽の開口側が創傷に面し、槽が長方形、正方形、六角形/ハニカム形または丸い底領域を有する、槽状であってもよい。領域(i)における該空洞は、担体マトリックスの材料の橋梁によって、もう1つから分離されている。該橋梁それ自体は、さらに伝送路様構造を有してもよく、少なくともいくつかは、もう1つに接続され、創傷分泌液および/または通気および/またはさらなある活性化合物/細胞の供給のための排出路として機能する。] [0087] さらに、薬剤のための貯蔵所として機能する領域(i)における空洞は、担体マトリックスの材料の橋梁によって、もう1つから分離されている、クラスター内に配置されたサブ構造を表す。クラスタードメインは、いずれかの所望の長方形、正方形、六角形/ハニカム形または丸い底領域、特に正方形または長方形の底領域形を有し、ここで、クラスター底領域の形状は、要すれば、領域(i)のサブ構造の底領域形と同一であるか、または異なってもよい。本明細書において、領域(i)のクラスタードメインが、領域(ii)の少なくとも1つの空洞に隣接すること、および、要すれば、領域(i)の2つのクラスタードメインが、領域(ii)の空洞によってもう1つから分離されていることが提供されてもよい。] [0088] 原則的に公知であり市販されている創傷包帯、または前述のプラスターなどに任意に適用される、本発明の製剤/ゲル剤は、たとえば、処置されるべき創傷分泌液の形成、出血または感染発生などの他の要因および事情により原則的に必要である交換を、12、24、48または72時間、好ましくは48時間毎に行うことができる。単に本発明の製剤基剤内の活性化合物EPOの安定性および活性という理由からは、創傷治癒が完了する前の包帯またはプラスターの交換は必要ではない。] [0089] 本発明のゲル剤は、それ自体公知の方法によって製造することができる。これらの方法は、実施例においてより詳細に記載される。] [0090] 上述したように、本発明のEPO含有ゲル製剤は、特に創傷、特に歯科領域における皮膚への創傷、粘膜の創傷、口腔内における粘膜/顎損傷、皮膚の火傷または湯焼、あるいは慢性創傷に伴う皮膚疾患の治療に用いることができる。皮膚への創傷は、たとえば、切断、穿刺、破砕、噛み付きまたは発泡など、あるいは、外科手術または抜歯の不可避の結果によって起こりうる。さらに、様々な疾患が、皮膚または肉の創傷、あるいは開口性潰瘍を引き起こしうる。相対的に大きい創傷はまた、臓器移植あるいは切断手術の場合にも起こり、局所的および局部適に治療ケアを提供しなけばならない。] [0091] 歯科領域では、虫歯炎症および歯周炎の場合に相対的に小さい創傷も起こる可能性があり、本発明の製剤/ゲル剤で成功裏に治療することができる。歯のエナメル質表面が損傷を受ける場合、細菌がさらに象牙質に貫通する。放射状象牙質小管にはパルププロセスが存在し、一部または全部の感染から、パルプの炎症が起こることを意味する。もし治療しなければ、結果として、パルプ組織の死(壊死)および細菌による腐敗(壊疽)が起こる。壊疽にかかった組織を除去しなければ、歯根尖の外側に炎症が起こる。肉芽腫、嚢胞、瘻孔または膿瘍が発生する場合がある。EPOまたはEPO含有ゲル剤は、これらの段階のそれぞれにおいて成功裏に用いることができ、対応する抗菌処置の後が有利である。] [0092] 本発明の製剤またはゲル剤は、比較的深い創傷の治療に特に適しており、優れた創傷充填剤として用いることができる。したがって、たとえば、本発明のゲル剤の処置により、滲み出しが非常に多く起こる深い真皮潰瘍を治療することができる。相対的に高粘度のゲル剤は、創傷からしたたる液体を防止するか、または少なくとも減少させる。しかしながら、さらに、たとえば、乾燥下腿潰瘍(dry ulcus cruris)などの創傷も本発明のゲル剤で治療することができる。この場合、本発明のゲル剤は、創傷に液体を供給し、創傷清拭によって、望ましくない物質、沈積物および壊死の除去を確実にする能力を示す。本発明の製剤を用いることができるその他のタイプの創傷として、第I、IIおよびIII期の褥瘡性潰瘍(床ずれ)、下腿潰瘍(下肢潰瘍、足痛)、糖尿病性足症候群、皮膚潰瘍、血液潰瘍(blood ulcer)、第I度および第II度火傷ならびに第III度火傷、擦り傷およ胃慢性創傷が挙げられるが、これらに限定されるものではない。] [0093] 最後に、本発明は、少なくとも2つの別々のパック(第1のパックは、多糖および/またはポリマー(疎水性)支持マトリックスなどのヒドロゲルの材料またはヒドロゲルの要素を含み、第2のパックは、安定な凍結乾燥物(lyophilisate)としての活性化合物EPOを含む)を含む部品のキットに関する。部品のキットは、適切な場合、別のパック中に製剤基剤の要素を含んでもよい。固体成分が溶解または懸濁することができる、量に適合させた水性成分を含有するパックがさらに、同様に本発明の部品のキットを構成してもよく、すなわち、医薬キットは、膨潤/重合に必要な溶媒(好ましくは水または含水剤)を含むさらなるパックユニットを含んでもよい。本発明のキットは、粉末の形態または膨潤前の形態で、膨潤性ポリマーを含んでもよく、後者の場合、膨潤前ポリマーの粘度は、第2パックユニットからの活性化合物EPOとの均一混合が保証されるように、十分に低い粘度(好ましくは5000 mPa s以下)に保たれるべきである。EPOの添加後、最後に、担体ポリマー/ゲル剤を、所望の粘度を完成するように膨潤させることができる。] [0094] たとえば、混合閉鎖システムの形態などの、個々に別々になっているパックを、突き刺し、穿孔、強制通過、引きはがしなどの単純なメカニズムによってそれらの内容物がもう1つの内容物と混合されうるような方法で、別のパックと物理的に接続してもよい。本発明によれば、創傷への適用の直前に、この方法で、膨潤前の状態の低粘度における新鮮なゲル剤の調製まではまだ完全には重合していないゲル剤または製剤基剤に、遅延添加、特に、その活性を保持したままの凍結乾燥形態において非常に長い半減期を有する活性化合物EPOの遅延添加をすることができ、このことは、開始時から完全に完成していない活性化合物含有製剤における特定の条件下にある場合に応じて、活性の喪失が起こりえないを意味する。] [0095] 以下の実施例は、本発明をより詳細に記載することを意図するものであり、いかなる方法においても制限を加えるものではない。特に、当業者は、要すれば、彼の一般的知識の助けを借りて、これらの実施例からの知識を一般化することができる。] [0096] さらに、実施例に示される物質は、当業者が他に特記しない限り、あるいは合理的もしくは技術的/科学的理由によって妨げられない限り、それらのパラメーター、特性、物理量、データおよび記載される特定の方法もまた、一般化して、例示とみなされるべきである実施例に示されている以外の他の関係に持ち込むことができる。] 図面の簡単な説明 [0097] EPO含有製剤の安定性試験。図1から分かるように、EPO含量は、調査中、公称含量(150 U/ml)の90〜100%の範囲で変化するが、このことは、製剤および対応するヒドロゲルも、調製後4週間にわたって安定であることが推測されうることを意味する。対照的に、実験期間にわたって、塩化ナトリウム含有溶液(40 U/mlのEPOを含む0.9重量%のNaCl水溶液)におけるEPOの重要な分解が明らかであったが、このことは、公称含量の20〜30%のみが、3および4週間後に見出されたことを意味する。 この図は、EPOなし(コントロール/プラセボ、ゲルF−左側の棒)およびEPOあり(約0.3 gのゲル:150 IU/ゲル1g=約200 IU/BW、ゲルE−右側の棒)の本発明製剤(3%のカルボキシメチルセルロース)で4日間処置された、外傷を受けたラットの皮膚の再上皮形成をパーセントで示す。結果を表形式(上部の表)およびグラフ(株のグラフ)で示す。 この図は、EPOなし(コントロール/プラセボ、ゲルF−左側の棒)およびEPOあり(約0.3 gのゲル:150 IU/ゲル1g=約200 IU/BW、ゲルE−右側の棒)の本発明製剤(3%のカルボキシメチルセルロース)で8日間処置された、外傷を受けたラットの皮膚の再上皮形成をパーセントで示す。包帯/プラスターは、4日後に交換し、創傷を新鮮なゲルで処置した。本発明製剤で8日間処置した後、皮膚は、事実上100%修復された。結果を表形式(上部の表)およびグラフ(株のグラフ)で示す。 図4は、実施例8に記載のゲル剤で8日間処置した後の創傷治癒の組織学的調査を示す。CD31タンパク質およびネスチンを発現する細胞を適切な染色で視覚化した。結果は、コントロール製剤と比べて、EPOでの処置により、上皮の層の厚みが著しく増加することを示す。さらに、上皮の新生が、CD31陽性(染色される)細胞における増加と本質的に相関していないが、ネスチン陽性細胞とは多少相関することが分かる 図5は、3000 IUのEPOを含む本発明製剤で3回局部処置(合計9000 IU)した後の糖尿病患者の外果の第3度慢性虚血性潰瘍の治癒の写真による証拠である。下部の写真は、15日後の経過を示す(実施例16)。 図6は、本発明のヒドロゲル剤中の3000 IUのEPOを1回投与で処置することによる、患者において剥がれた植皮を除去した後の熱による創傷の治癒過程の写真である(実施例17)。] 図1 図4 [0098] エリスロポエチン(EPO)は、完成品医薬の形態で用いる(NeoRecormon 10,000 IUカートリッジ内の注射液のための粉末および溶媒、バッチMH68260 08、PZN 742 914 3、Roche Reg. Ltd.、Welwyn GardenCity、UK)。 以下のゲル形成剤を用い、無菌状態で、活性化合物を膨潤前製剤に変換する: ヒドロキシエチルセルロースPh. Eur. 5.1(商品名:ヒドロキシエチルセルロース 250 HX Pharm、バッチ 06E29-N01、Fagron、D-Barsbuttel); カルメロース-ナトリウム/カルボキシメチルセルロースPh. Eur. 5.0(商品名 Tylopur C600、バッチ 516 762 65、Caelo、D-Hilden); メチルセルロース/ヒドロキシプロピルメチルセルロースUSP(商品名 Metolose 90 SH-100、バッチ 206314、Shin-Etsu、D-Mulheim); ポビドンPh. Eur. 5.0(商品名コリドン25、バッチ 74-0915、BASF、D-Ludwigshafen); バリヘシブ(登録商標)、コンバテック、バリヘシブ E(登録商標)は、ヒドロコロイド包帯である。それらは、内側は、ポリマーマトリックスに埋め込まれた接着性膨潤性多糖に基づくヒドロコロイド層からなり、外側はフィルムコーティングされたポリウレタンフォームからなる。] [0099] バルクとして注射用水(Ph. Eur. 5.0)を用い、グリセロール(85%または無水、バッチ 058 006 2、Fisher Scientific、Loughborough、UK)を佐剤として用いる。製剤の適応のために用いる一次包装は、Fiolax注射バイアル、ガラスタイプI(Munnerstadter Glaswarenfabrik GmbH、D-Munnerstadt)である。これらは、20 mm Pharma-Fixシーリングディスクで覆われ、21 mmメタルクリンプシール(両方とも、VWR、D-Hannover)で圧着密封される。その製造、培養および使用を以下の参考文献にしたがって行った、器官型皮膚モデルを用いて、放出実験を行う:C.Hoffmann、C.C.Muller-Goymann、“Use of artificial skin constructs in permeation studies of clindamycin phosphate”、Pharmazie 60(2005) 350-353。] [0100] 活性化合物を含有しないヒドロゲルの製造 低細菌条件下、調査するゲル形成剤を風袋乳鉢に入れて秤量し、意図量のグリセロールとともに磨り潰す。バルク用注射用水を少しずつ加えた後、製剤を少なくとも2時間膨潤させた後、水を蒸発させて、ヒドロゲルを乳鉢中で均質化する。ヒドロゲル3.3 gを熱風殺菌した注入バイアルに移すが、それは、製剤の一貫性に応じて、シリンジで吸い上げることによるか、またはUnguatorジャーに移し、続いて付属のUnguatorアプリケーター(両方とも、Gako Konietzko GmbH、D-Bamberg)を用いて分注することによって行うことができる。次いで、Ph.Eur.の標準条件下で、密封した注入バイアルを飽和生蒸気で殺菌する。] [0101] 活性化合物を含有しないヒドロゲルのレオロジー特性の評価 オートクレーブ処理中のゲル形成剤の熱分解を評価するために、非殺菌サンプルによって殺菌したヒドロゲルを視覚的に評価し、20.0℃およびコーン頂点角度1°にて、プレート・アンド・コーン粘時計(GVOレオメーター、Bohlin Instruments、Cirencester、GB)で測定する。最終的なゲル形成剤含量は、製剤から作られる治療上の要求にしたがって決定する。] [0102] EPO含有ゲル状製剤の調製 各ケースにおいて、クリーンベンチにて、再構成されたEPO 10,000 IU溶液から、冷却し予備殺菌したヒドロゲルに500 IUのEPOを注入する;この目的のために、取り付けた12mmのクリックファイン・ユニバーサル・ニードル(Ypsomed、D-Sulzbach)を介して必要な薬物溶液を放出するReco-Pen(Roche Diagnostics GmbH、D-Mannheim)を使用する。500 IUのEPOのために移した50 μlのEPO体積を考慮して、製剤中に、150 IU/gの活性化合物含量を得る。タンパク質の変性のリスクを排除して均一な分布を確保することを可能にするために、EPO溶液を24時間にわたってヒドロゲル中に拡散させた。混合を改善するために、この期間中に注入バイアルを2回180°回転させた。遮光して+2〜+8℃にて製剤を保管した。詳細については、150 IU/ゲルgのエリスロポエチン含量を有するヒドロゲルにとっての一例として、以下の調製手順を用いる: 低細菌条件下での活性化合物を含有しないゲルを調製する; 乳鉢にてカルボキシメチルセルロース250 HXとグリセロール(2.4%)とを磨り潰す; 水を少しずつ加える; 少なくとも2時間膨潤させる; 蒸留水と交換し、均一化する。別法として、電気的撹拌システム(たとえば、Cito-Unguator 2000)を用いて、活性化合物を含有しないゲルを調製することもできる; 予め清浄化および熱風殺菌したガラスタイプ1の注入バイアルに、ゲルを3.3 gずつ移し、たとえば、シリンジまたはUnguator(登録商標)アプリケーターなどを用いて圧着密封する; 圧着密封したゲルを標準的条件下でオートクレーブ処理する; さらに処理を進める前に、注入バイアルの温度を+2〜+8℃にする; たとえば、クリックファイン・ユニバーサル・ニードルを介する2ペンユニットの放出機能を備えたReco-Penを用いるNeoRecormon 10,000 E 2室カートリッジなどから、クリーンベンチの中で、各注入バイアルに500 IUのEPOを移す; 少なくとも24時間にわたってEPOを拡散させ、より良い混合を得るために、この期間中に注入バイアルを2回180°回転させる。] [0103] ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(1.5%〜3.5%(w/w)のセルロース含量)を用いて同様にゲルを調製する。] [0104] EPO含有製剤の安定性試験 製剤中のエリスロポエチンの安定性を試験するために、各製剤の調製後0、1、2、3および4週間の時点でサンプルを採取し、エリスロポエチン分析に送る。実験期間中を通して、上述した保管条件を維持する。さらに、0.9%塩化ナトリウム水溶液中のエリスロポエチン含量40 IU/mlの製剤についても試験を行う。結果を図1に示す。] 図1 [0105] 皮膚構成物を通しての活性化合物の放出実験 アクセプターコンパートメント内で37℃に保持された等張性グリセロール溶液を含む6個のフランツ細胞(体積:5.68〜8.88 cm3、浸透領域:0.14-0.34 cm2)を用いて放出実験を行う。ポリカーボネートフィルターによって下向きにアクセプター溶液に対して機械的に安定化され、試験される製剤と上向きに接触している、器官型皮膚構成物をドナーおよびアクセプターコンパートメントの間に導入する。除去されたアクセプター体積1.0 mlの交換の0;0.5;1;1.5;2;3;4;5;6および24時間後にサンプルを採取し、エリスロポエチン分析に送る。細胞の集合、アクセプターの導入および秤量のために用いられる約5分間の接触は、試験される製剤と皮膚構成物との最初の接触と、最初のサンプリング(0時間)との間の期間のために設定されるべきである。上述の放出細胞のうち4個は、製剤および安定性研究に基づいて最も有望な製剤とみなすことができる製剤を試験するために用いられる。保管条件以上の温度に上昇することにより放出試験中に薬物の分解が懸念されるかどうかについての情報を得るために、2つの細胞を粘性溶液(エリスロポエチン含量:150 IU/ヒドロゲルg)で満たす(放出実験の完了後にこれらの溶液からの含量を測定することを可能にするために)。] [0106] EPO分析 すべてのケースにおいて、測定される薬剤の量は、光学円偏光二色性を用いて非変性および非分解エリスロポエチン含量の定量を行うには少なすぎるので、エリスロポエチンは、使用説明書に基づいて、サンドイッチELISAを用いて測定する(EPO-ELISA、OSTEOmedical GmbH、D-Bunde)。バージョン3.4 Rev 21ソフトウェアを搭載したKC4マルチプレートリーダー(Bio-Tek、D-Bad Friedrichshall)を用いて、開発されたELISAアッセイの測定を行う。調製した投与剤形の含量はアッセイの定量範囲を超えているので、400 mIU/mlの領域内に名目含量を得るために、測定前に各サンプルを希釈する。放出調査からのサンプルは、暫定的な希釈ステップなしで測定することができる。] [0107] カルボキシメチルセルロースゲルを用いる外傷を受けたラットにおける皮膚再生 体重200〜250 gの雌性ラット4匹に、「tangential excision外傷」を作成する。ゲル形成剤としてカルボキシメチルセルロース(3%(w/w)、42,000 mPa s)(さらに、2.4%のグリセロール)および150 IUのEPO/BWを含む、前述の詳細にしたがって調製したゲルで動物を処置する。コントロール(プラセボ)は、活性化合物を含まない。ゲルの適用後、動物に包帯またはプラスターを当てる。包帯/プラスターは、48時間毎に交換する。4および8日後に創傷領域から組織サンプルを採取し、組織学的に分析する。当業界で公知の染色技術を用いて、CD31およびネスチン-陽性または陰性細胞について、試験を行う。結果を図2、3および4に示す。再上皮形成が、活性化合物を含有しない製剤(「ゲルF」、図2および3)よりも、EPO含有ゲル(「ゲルE」、図2および3)(平均10〜50%)において、治療期間に応じて、有意に迅速に完了することが分かる。さらに、細胞特異的染色によって、上皮の新形成は、本質的に新たなCD31陽性細胞を生み出さないことが分かる(図4)。] 図2 図4 [0108] 1%カルボキシメチルセルロースゲルにおいて、同様に、皮膚の再生を研究する。結果は、コントロールにおいては有意な差異は見られないが、EPO含有ゲル製剤の場合に、匹敵する3%ゲルの場合よりも約5〜10% 悪かった。] [0109] 同じEPO濃度のヒドロキシエチルセルロースを基剤とする1%ゲルおよび3%ゲルにおいて、同様に、皮膚再生を研究する。カルボキシメチルセルロースげると比べて、匹敵するか、またはわずかに悪い結果が得られる。] [0110] 成人患者における以下の火傷(約120 cm2)治療用ゲル製剤を前述の方法によって調製した: 12,000 IUのEPOを含むこのタイプのゲル100 gを適用した。約40,000 mPa x sの粘度であった。] [0111] 成人患者における以下の切り傷(2 cm2)治療用ゲル製剤を前述の方法によって調製した: 1,000 IUのEPOを含むこのタイプのゲル2 gを適用した。約68,000 mPa x sの粘度であった。] [0112] 成人患者における以下の火傷(約300 cm2)治療用ゲル製剤を前述の方法によって調製した: 50,500 IUのEPOを含むこのタイプのゲル450 gを適用し、治療のための火傷上に塗布した。粘度:約35,000 mPa x s。] [0113] 成人患者における以下の火傷(80 cm2)治療用ゲル製剤を前述の方法によって調製した: 35,000 IUのEPOを含むこのタイプのゲル50 gを適用した。約55,000 mPa x sの粘度であった。] [0114] 成人患者における以下の下肢潰瘍(150 cm2)治療用ゲル製剤を前述の方法によって調製した: 20,100 IUのEPOを含むこのタイプのゲル150 gを適用した。約49,000 mPa x sの粘度であった。] [0115] 成人患者における抜歯の結果としての相対的に大きい粘膜/顎創傷(1 cm2)の治療用の以下のゲル製剤を前述の方法によって調製した: 1,500 IUのEPOを含むこのタイプのゲル1 gを適用した。] [0116] 成人患者における抜歯の結果としての相対的に大きい粘膜/顎創傷(約10 cm2)の治療用の以下のゲル製剤を前述の方法によって調製した: 20,500 IUのEPOを含むこのタイプのゲル300 gを適用した。粘度:約23,000 mPa x s。] [0117] 慢性虚血性創傷 慢性虚血性創傷は、ドイツだけでも、最も一般的な外科臨床における事態であり、徹底的で総合的な治療を必要とする。ドイツでは、3百万人以上の人々が慢性創傷を患っており、その創傷は一般に3つのタイプに分けられる:下腿潰瘍、糖尿病性足潰瘍および褥瘡である。この国における慢性創傷の治療にかかる費用は、現在、年間50億ユーロに上っている。] [0118] 動脈潰瘍(末梢動脈閉塞性疾患)および糖尿病性潰瘍の組み合わせは、臨床的に治療するのが特に困難であるとみなされており、残念ながら、希ではない。] [0119] ある69歳のグレードIV pAVKの糖尿病患者は、12か月以上の間、外果のグレードIIIの慢性虚血性潰瘍を患っている(図5、上図)。相応に高粘度を有するバリヘシブE(登録商標)ヒドロゲル中の組換えEPO(各3000 IU)による三個所の局部的治療の後、肉芽組織の明らかな形成が起こる(中図)。創傷の完全治癒は、続いての分層皮膚移植の15日後に見ることができた(下図)。] [0120] 真皮創傷 あらゆる人が、一生の間に、治癒を必要とする一定数の機械的または熱的真皮損傷を患うであろう。液体、軟膏または包帯材の形態における局部創傷治療薬の市場は、相応に大きい。罹患している患者の証拠に基づく分析において、各皮膚創傷が異なる構造を有しているという事実が問題になっている。しかしながら、外科手術において、身体の他の部位へ移植するために、専用器具(採皮刀)を用いて決められた深さ(通常0.2から0.3 mm)の皮膚の一部を除去する必要性によって生じる非常に標準化された皮膚創傷がある。このタイプ(0.3 mm)の分層皮膚除去部位は、通常、10〜14日以内に治癒する。] [0121] ある25歳の患者は、治療が皮膚除去を必要とする熱的損傷を有していた(図6、左図)。前述の組成物の1つに従うヒドロゲル中の3000 IUのEPO(3%のカルボキシメチルセルロース)で1回除去部位を処置した。完全治癒は、わずか7日後に見られた(図6、右図)。同様の結果が、さらに4人の火傷を患った患者において達成された。] [0122] 上記5人の患者において、エリスロポエチンの局部適用による分層皮膚移植片除去部位の治療試験を以下の通り行った:分層皮膚移植片はそれぞれ、0.3 mmの深さで大腿部から採取した。エリスロポエチンを、担体物質として機能するバリヘシブ(登録商標)ヒドロゲルと手術中に混合し、創傷に直接適用した。続いて、創傷領域を有孔ポリウレタンフィルムで覆った。さらなる局部エリスロポエチン適用の場合にのみ、二次的な包帯を除去した。該適用は、多くの時点で、ポリウレタンフィルムを通して殺菌状態で行った。ポリウレタンフィルムは、手術の7日後にのみ、無外傷的に除去した。]
权利要求:
請求項1 いずれの場合にも外傷を受けた皮膚の創傷および隣接領域おける特定の位置において蓄積した、血管前駆細胞ではない組織特異的前駆細胞の標的化刺激および内皮細胞ではない成人組織特異的細胞の標的化刺激による、外傷を受けた皮膚の欠損閉鎖のため、および/または再上皮形成のために、局所的および局部的に適用される医薬の製造のための、活性化合物を安定化させ、それを均一に放出する医薬的ポリマー粘性製剤の形態での、エリスロポエチンまたは同じ生物学的作用を有するその誘導体もしくは類縁体(EPO)の1つの使用。 請求項2 局所および局部適用されたEPOが、血管細胞または血流中を全身的に循環している内皮前駆細胞刺激を引きおこさないか、または刺激を実質的に引き起こさないことを特徴とする請求項1に記載の使用。 請求項3 局所適用されたEPOによって刺激された該細胞が、CD31抗原を発現するか、または極少量しか発現しないことを特徴とする請求項1〜2のいずれか1つに記載の使用。 請求項4 他の点では同一の条件下で、EPOを含まない対応する医薬製剤によるものと比べて20〜50%、より迅速に、再上皮形成が起こることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の使用。 請求項5 局所および局部適用されたEPOが、ケラチノサイトおよび/または毛根細胞および/または結合組織細胞の分化および成長を刺激することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の使用。 請求項6 局所および局部適用されたEPOが、創傷および隣接領域において、CD90陽性細胞および/またはネスチン陽性細胞の分化および成長をさらに刺激することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の使用。 請求項7 局所および局部適用されたEPOが、創傷および隣接領域において、神経細胞および/または神経前駆細胞の分化および成長を刺激することを特徴とする請求項6に記載の使用。 請求項8 創傷の局部近傍におけるより深い組織層における対応する前駆細胞が、局所および局部適用されたEPOによって刺激されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の使用。 請求項9 活性化合物を安定化させ、それを均一に放出する医薬製剤が、ゲル状粘性親水性ポリマーを含み、外傷を受けた領域に直接適用されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の使用。 請求項10 粘性/ゲル状EPO含有溶液または製剤が、少なくとも1つの膨潤性多糖を基剤とすることを特徴とする請求項9に記載の使用。 請求項11 使用する膨潤性多糖が、少なくとも1つのヒドロキシアルキルセルロースおよび/またはカルボキシアルキルセルロースであることを特徴とする請求項10に記載の使用。 請求項12 製剤または溶液が、0.5〜4.0重量%のゲル形成剤を含むことを特徴とする請求項10または11に記載の使用。 請求項13 膨潤した、あるいはポリマー化した製剤の粘度が、5000〜100,000 mPa x sであることを特徴とする請求項12に記載の使用。 請求項14 エリスロポエチンまたは同じ生物学的作用を有するその誘導体もしくは類縁体(EPO)の1つを含み、親水性環境にEPOを均一に放出する能力がある、少なくとも20,000 mPa x sの総粘度を有する、少なくとも1つのゲル形成性かつ親水性ポリマーを基剤とする粘性製剤。 請求項15 40,000〜60,000 mPa x sの総粘度を有する請求項14に記載の粘性製剤。 請求項16 ヒドロキシアルキルセルロースおよび/またはカルボキシアルキルセルロースから選ばれる多糖、およびポリアクリレートまたはポリウレタンを基剤とする疎水性ポリマーマトリックスを含む請求項14または15に記載の粘性製剤。 請求項17 エリスロポエチンまたは同じ生物学的作用を有するその誘導体もしくは類縁体(EPO)の1つを含むことを特徴とする、ヒドロキシアルキルセルロースおよび/またはカルボキシアルキルセルロースから選ばれる少なくとも1つのゲル形成膨潤性多糖を基剤とするゲル状製剤または粘性製剤。 請求項18 凍結乾燥、溶解または懸濁形態のEPOを、5000 mPa x s以下の粘度を有する膨潤前多糖と混合し、完全な膨潤を開始することによって得られる請求項17に記載の製剤。 請求項19 完全膨潤多糖が、5000〜100,000 mPa x sの粘度を有することを特徴とする請求項17に記載の製剤。 請求項20 完全膨潤多糖が、20,000〜60,000 mPa x sの粘度を有することを特徴とする請求項19に記載の製剤。 請求項21 多糖が、0.4〜4重量%の濃度で用いられることを特徴とする請求項16〜20のいずれか1つに記載の製剤。 請求項22 多糖の濃度が、2〜3重量%であることを特徴とする請求項21に記載の製剤。 請求項23 多糖が、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースから選ばれる1つ以上の多糖であることを特徴とする請求項16〜22のいずれか1つに記載の製剤。 請求項24 重合可能なヒドロキシエチルセルロースおよび/またはカルボキシメチルセルロースを用いることを特徴とする請求項23に記載の製剤。 請求項25 100〜500 IU/ゲル製剤gの濃度でEPOを含むことを特徴とする請求項14〜24のいずれか1つに記載の製剤。 請求項26 請求項25に記載のEPO濃度を有する0.5 g〜5.0 gのゲル製剤/cm2を用いることを特徴とする請求項25に記載の製剤。 請求項27 ゲル形成剤が、カルボキシメチルセルロースであり、150 IUのEPO/ゲル状製剤gが存在し、1 gのゲル/cm2を用いることを特徴とする請求項26に記載の製剤。 請求項28 50〜1500 IUのEPO/創傷領域cm2、好ましくは75〜450 IUのEPO創傷領域を用いることを特徴とする請求項14〜26のいずれか1つに記載の製剤。 請求項29 少なくとも1つのさらなる活性化合物をさらに含むことを特徴とする請求項14〜28のいずれか1つに記載の製剤。 請求項30 さらなる活性化合物が、抗菌、抗ウイルス、抗真菌または抗炎症作用を有するか、またはプロテイナーゼインヒビターであることを特徴とする請求項29に記載の製剤。 請求項31 さらに、少なくとも1つの合成コポリマーを含むことを特徴とする請求項14〜30のいずれか1つに記載の製剤。 請求項32 外傷性皮膚の創傷領域へEPOを均一に放出する固体担体マトリックス中または上に導入されていることを特徴とする請求項14〜31のいずれか1つに記載の製剤。 請求項33 固体担体マトリックスが、三次元構造化されたプラスターであることを特徴とする請求項32に記載の製剤。 請求項34 罹患した皮膚の局所および局部処置用および皮膚創傷の治癒用の医薬の製造のための請求項14〜33のいずれか1つに記載の製剤の使用。 請求項35 火傷、慢性虚血性創傷および歯科領域における治療および治癒のための請求項34に記載の使用。 請求項36 外傷を受けた皮膚または粘膜の欠損閉鎖のため、および/または再上皮形成のための請求項34または35に記載の使用。 請求項37 第1のパックユニットは、少なくとも20,000 mPa x sの完全膨潤後の総粘度を有するゲルを形成しうる少なくとも1つの親水性ポリマーまたはモノマーを含み、第2のパックユニットは、第1のパックユニットのポリマーと混合した後に100〜500 IU/完全膨潤ポリマーgのEPO濃度を与える量の凍結乾燥、溶解または懸濁形態のエリスロポエチン(EPO)を含む、少なくとも2つの別々のパックユニットを含む部品のキット。 請求項38 ポリマーが膨潤前であり、膨潤前の形態において、5000 mPa x s以下の粘度を有することを特徴とする請求項37に記載の部品のキット。 請求項39 皮膚疾患の場合に局所適用するのに適したEPO含有粘性ゲルを生成するために、第1のパックユニットのポリマー/モノマーおよび第2のパックユニットのEPOが取り込まれる液体を含む第3のパックユニットを含むことを特徴とする請求項37または38に記載の部品のキット。 請求項40 選択されるポリマーが、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースから選ばれる1つ以上の多糖であることを特徴とする請求項37〜39のいずれか1つに記載のキット。
类似技术:
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